サボテンは乾燥に強く、忙しい人でも育てやすい植物として知られています。
素朴な疑問なのですが、いつごろから「サボテン」と呼ぶようになったのでしょうか?
また、漢字で「仙人掌」と表記しますが、どう見ても当て字のようですが、何が由来なのでしょう。
「サボテン」と呼ぶようになったのは?漢字表記の由来は?
そこで今回は、サボテンにまつわる2つの由来について紹介していきたいと思います。
1つは、サボテンと呼ぶようになった背景についてです。
もう1つは、サボテンの漢字表記の元になった事柄についてです。
「サボテン」というようになったワケは?
サボテンという植物が日本へ移入してきたのは16世紀の後半ですから、ちょうど江戸時代の鎖国の頃に当たります。
当時の日本は長崎の出島である特定の国とだけ交易を行っていました。
その交易先のオランダ人は、サボテンを石鹸の代わりとして服や住居の汚れ落としに使っているのを目撃してしまいました。
それで、当時の日本人はシャボン(石鹸)のような植物だと感じ、「シャボテン」と呼ばれるようになったとのことです。
他にも、石鹸を意味するポルトガル語「sabao」と「手」を組み合わせた、「サボンテ」が訛ったものという説もあります。
「仙人掌」と漢字表記するようになったのは?
いろんな説がありますが、中国語からの借用が元になっていると言われています。
中国語で「仙人掌」とは、「ウチワサボテン」のことを示しています。
空高くまっすぐに伸びていく、ごつごつとしている様子が、まるで仙人のように見えたからということです。
3つ並んだサボテンの真ん中は高く、両端は低いサボテンの姿を見ると大きな手のように見えなくもありません。
ちなみに、別の表記では「覇王樹」というのもありますが、こちらの語源については分かりません。
おそらく、その巨大な姿に畏敬の念を抱いた先人たちが敬意を表して付けたのでしょう。
まとめ
「サボテン」という呼び方は、江戸時代の鎖国政策がとられていた頃に、交易を行っていく中で定着したと考えられています。
漢字表記の「仙人掌」は、漢名にならって付けられたもので、ウチワサボテンを仙人の手に見立てていることが由来となっています。
サボテンと歴史的な事柄との間に、このような関係が見られるとは思いもしませんでした。